原則的に言えば、女性にとっての天職を考える際、性別を越えた適性をも考慮すべきだろう。
個人の適性は様々で、女性だからという理由で職種を限定しすぎるのは適切ではない。
しかし、社会の現実的需要としては、最初から男性または女性を想定した求人も多く、人材の需要と供給とで折り合いをつけるしかないのも事実だ。

職業は、自分の得意を活かして満足の得られるものが理想だが、社会側からの需要にマッチしていない場合、職業として成り立ちにくい。
自分の最大の得意領域が活かせる求人がないことや先方の要求と微妙に一致しないことも多いが、自分が売り込むことのできる能力と社会が求める能力とでマッチングしたものだけが、職業として成り立つ。
仮に自分で起業するにしても、社会の需要に合わない製品やサービスを提供していては起業は成功しない。

天職は、このような需給関係によって成り立つ部分が少なからずあり、しかも、予め性別が特定されていることも多い。
これら現実社会にある諸々の制約を考慮し、不条理と思う部分があったとしても、それを受け入れた形で社会の役に立つ自分の天職を考えるしかない。
社会に存在する不条理を拒絶し、それを打破すべく挑戦するのも素晴らしいことだが、その困難は想像以上のものになる可能性が高いだろう。

また、あらゆる職種はそれ特有のノウハウを必要とするのが普通で、その特殊技能を獲得するのも就職して以降のことになる。
学校などで学んだことが直接に役立たないことも多く、職業の適性は実際に仕事をやってみなければ分からない部分も多い。